香り高く、凛とした酸をもつ　　　　　　「白ワインの貴公子」

■ リースリングとは？

リースリングは、ドイツを代表する白ワイン用　　　　　　　　　　ブドウ品種で、世界的にも高い評価を受けています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冷涼な気候に適しており、土地の特徴（テロワール）を繊細に反映する品種です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　爽やかな辛口から濃密な甘口まで幅広いスタイルを生み出し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長期熟成にも耐える力を持つ、白ワイン界の奥深い存在です。

ー 酸と香りが際立つ白ワイン品種の貴婦人 ー

1. 基本情報

品種名（英） Riesling

原産地 ドイツ・ライン地方

交配元 古代品種由来（交配記録なし）

果皮 薄く、透明感のある黄緑色の果皮

気候適性 冷涼な気候に最も適する。遅熟で貴腐菌の影響も受けやすい。

2. 味わいの特徴

色合い： 明るいレモンイエロー〜黄金色（熟成で濃くなる）

アロマ：青リンゴ、ライム、白桃、ハチミツ、ジャスミン、白い花

　　　　熟成によりペトロール香（石油系の香り）が現れるのが特徴的

　　　　貴腐ブドウを使用した場合、アプリコットや蜜のニュアンスも

味わい：シャープで高い酸を持ち、甘口から辛口まで幅広いスタイルがある

　　　　糖度と酸味のバランスが非常に良く、爽やかさと奥行きが共存

　　　　甘口タイプは熟成により複雑で深い味わいになる

3. 主な産地と特徴

地域　　　　　　　　　　　　　　　　　　 特徴

ドイツ（モーゼル、ラインガウ）　　　　　 　繊細で優美。爽やかな酸とミネラル感　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長期熟成が可能。等級により甘辛が分類される。

フランス（アルザス） 　　　　　　　　　　ドライなスタイルが中心。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　香り高く、ボディもあり食中酒向き。

オーストリア　　　　　　　　　　　　　　 芳香性と酸のバランスが良く

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミネラルを感じる辛口が主流。

オーストラリア（クレア・ヴァレー）　　　　 柑橘系アロマと石灰的なミネラル感

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ペトロール香がはっきり出る。

アメリカ（ワシントン州など） 　　　　　　フルーティーでフレッシュ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やや残糖感のある親しみやすいスタイル。

4. 合う料理

スパイスを使った料理（エスニック、タイ、インド）

酢や柑橘を使った前菜（セビーチェ、マリネ）

白身魚、甲殻類

豚肉の煮込み、鴨のロースト

アジア料理とのペアリングが抜群（寿司、天ぷら、照り焼き）

5. 備考・豆知識

高貴品種（Noble Grape）のひとつとして、世界中で高い評価を得ている。

ドイツワイン法では「カビネット」「シュペートレーゼ」など収穫時期により分類。

甘口ワインでも酸が高いため、重くならずバランスが取れている。

長期熟成によってペトロール香が現れるが、これはリースリング特有の魅力とされる。

6. ワイン学習のポイント（まとめ）

✅ 甘口〜辛口、熟成による変化など幅広いスタイルを体験できる

✅ 酸と香りのバランスを学ぶのに最適な白ブドウ品種

✅ エスニック料理などとのマリアージュを試してみる価値あり

■ ひとことメモ

リースリングは、香りと酸の美しさを楽しむ白ワインの代表格。　　　　　　　　　　　　　　　　　　特にドイツ産のラベルには糖度の等級（カビネット、シュペートレーゼ、アウスレーゼなど）があり、スタイルを選ぶ際の参考になります。冷やして爽やかに飲むもよし　　　　　　　　　　熟成して深みを楽しむもよし。ワインの奥深さに触れたい方におすすめの品種です。